道教の護符
中国における道教は、儒教・仏教以前にさかのぼります。
紀元4・5世紀ごろまでは仏教も儒教も、ともに道教と呼ばれていたのです。
道教は中国古代の原観念ともいうべき道の哲学や、古代中国に流布していた陰陽五行思想がむすびついて宗教化したもの。
そのアイデイアは概して合理性に欠けた迷信みたいな面が多いのですが、古い時代の原拠的な世界観や処世哲学のユニークな点が今なお脈々と息づいています。
人間の不思議な精神構造による道の超自在性は、ユンクその他の現代の神秘主義学者たちの評値にも入っております。
紀元12世紀ごろ、金の時代に、河南の道士薫抱珍が太一教という道教宗団を創めて以来、金代の末ごろ山東の劉徳仁が真大道教の一派を興しました。
これはやがて元代には蒙古地方にまで勢力を拡張し、さらに王重陽が全真教を創めて元時代で最大の道教の一派になりました。
このなかで太一教が大いに喧伝した護符や度牒の効用は、その後の道教護符の多彩な発展の素地をつくりました。